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これが起業だ!ロサンゼルスの寿司職人アンディ・マツダ 3つの起業術

シュー生地にご飯を入れた創作料理

アメリカ旅初日から、日本とアメリカの違いを目の当たりにしました。

コトの始まりは、日本から水産物メーカーが集まるイベント「ロサンゼルス シーフードマーケットプレイス2017」に参加したときのことです。

ほーく

飛行機に9時間乗ってきて日本食かよ…金沢の方がうめぇだろ?

と思いつつも、面白そうだったので参加させていただいたのですが、本当に参加しておいてよかった〜!

ぼくの心を動かしたのは、ロサンゼルスでスシシェフと外国人向けのスシスクールを経営しているアンディ・マツダさんです。日本人の方ですがアンディです。なんで(ぃ)?

 

「寿司」の概念を180°変えるスシ

みなさんは「うまい寿司」というとどんなものを想像しますか?

  • ネタが新鮮
  • 握りが上手くてシャリがふんわり
  • 炙りが最高
  • 美味しく感じる温度管理がレベル高い
  • 伝統感を表現する

ぼくはこんな感じをイメージしてました。ぼくの住んでる金沢は、結構海鮮が美味しいと認知されているようで、回らない高級なお寿司屋さんがとても多いです。

県外からわざわざお目当てのお店に行くためにやって来る方も多いんだとか。

しかし、どの有名なお寿司屋さんのWebサイトを見ても、写真だけ見ると同じ寿司。目では見えない職人の技術が込められて、味の違いが生まれるのでしょう。

が、アンディさんの作る料理は違います。

シーフードマーケットプレイス2017の実演外国人の弟子と共に、Skypeを使ってスクリーンに手元を映しながら創作料理の実演。電子レンジも迷いなく使ってて驚きました。

▼魚と一緒にマンゴーを入れちゃったやつや、

マンゴーも入ったスシ

▼シュー生地にご飯を詰めちゃって、マグロやキャビアを乗せたやつが登場。

シュー生地にご飯を入れた創作料理

ほーく

ヤケクソなのかな?

と、ぼくは思いました。

カルフォルニアロールのように、寿司が独自に発展しているのは知っていますが、ここまでとは思っていなかったのです。

「寿司」の概念が180°変わった瞬間でした。

食材同士がマッチしててとっても美味しい!

実際に食べた瞬間、さらに驚きが。

なんと、めちゃくちゃ美味しいのです。

ほーく

もう1個ください。

と思わず言ってしまうほど美味しかったんです。

全然大味じゃなく、素材の味1つ1つがしっかりと引き立っていて、日本で出されても違和感のない味でした。

 

アンディ・マツダさんから学んだ3つの起業思考

この料理を食べて、アンディ・マツダさんがタダモノではないと感じたぼくは、どんなマインドを持って活動しているのかを考えました。

そこで出てきた答えは3つあります。

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1.ニーズに合わせたサービスを提供する

職人って「いいものを作るのに集中する人」というイメージだったのですが、全く違いました。

アンディさんは美味しいお寿司を提供するだけでなく、ビジュアルも加えて、寿司を現地にウケるようにローカライズしています。つまり、経営者目線を持った職人ということです。

 

「見て楽しく・食べて美味しい、食のエンターテインメント」を提供することで、現地のニーズに合わせた「食」を提供する=アイデアでマネタイズを実現させています。

もし日本のようなスタイルで寿司を提供していたら、技術力の勝負になってしまって終わらない勝負に突入する可能性もあります。しかし、この方法ならアイデアベースのオンリーワンメニューを作れるので、その心配もいりません。

 

2.マネタイズを前提とした短期集中

アンディさんが経営しているスシスクールの「プロフェッショナル養成クラス」は2ヶ月で卒業できます。

それだけでも驚きなのですが、内容もすごい。

2週間:包丁の研ぎ方・80品の料理を学ぶ
2週間:ご飯の炊き方・巻物を学ぶ
2ヶ月目:スシ作り・素材の原価を知り、利益を出すビジネスを学ぶ
ラスト:レジュメを作り就職(就職率70%を超える)

ただ学ぶのではなく、原価も学んでどんなメニューを提供していくかというビジネス面も同時に学べるんです。

たとえばね、やりイカって原価が3ドルぐらいなんです。そこからスシがいくつ取れるか、足や耳、全部で14かんは取れます。

サバも冷凍なら1本3ドル50セントぐらい。ここから6オーダー、13かんとれますよね。しかもあぶり(火をいれる)をかけるとより美味しくいただけます。

こういう技術を教えていくことで、将来、寿司屋の経営者になったとき、ちゃんとコスト計算ができるようなシェフになってほしいと思うんです。

参考:BRIDGE USA | ロサンゼルス近辺 INFO-TAINMENT MAGAZINE

すごくないですかこれ?

職人と起業(経営)ってなかなか両立しづらいと思うんですが、これはまさに理想形だと思わずにはいられませんでした。

 

3.収入源を分散させる

下の写真をみてください。

アンディ・マツダの作業服

最初にアンディさん見たとき、

ほーく

なーんかいっぱいお胸があるなぁ。牛なのかな?

って思いました。

しかし、1つだけ元々の刺繍なんですが、他は全部広告なんですよ。

職人といえば、1つのことを集中して食っていくってイメージがありますが、アンディさんはその知名度を活かし、企業の広告を作業着に縫い付けているのです。

つまり、寿司で実績を残し、それを活かして別の収入源を得ているということです。実際に企業からお金をもらってるかは聞いてませんが、

アンディ

趣味は胸に勝手に広告貼ることっす!押忍!

ってタイプではないと思うので、きっとそういうことでしょう。

 

まとめ

アンディマツダさんを見て「職人×起業」の理想を目の当たりにしました。

プログラマーのぼくもある意味職人なので、今回アンディさんに会えてとても刺激になりました。技術力よりも、お客さんに満足してもらうことを意識することで、この絶妙なバランス感覚が成り立っているのだと強く感じたんですよね。

僕は職人にはチャンプは不要だと生徒に教えているんですね。シェフが自己満足することが目的じゃないんです。お客さんが満足してくれて、成功だと思いますから。

参考:BRIDGE USA | ロサンゼルス近辺 INFO-TAINMENT MAGAZINE

こういった考え方がアメリカを強くしている1つの要因なんじゃないかな、と思いました。

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