『パーソナル・マーケティング』自分の名前で食えている人は能力の高い一握りの人間ではない

本田直之 パーソナル・マーケティング

最近フリーランスの方と会う機会が増えている。Webデザイナーやコンサルタントの方など。

その人たちは会社の看板を背負って仕事をしているのではなく、自分の名前で仕事をしている。

自分の名前でご飯を食べて、家族を養っている。

それを何年も続けているというのは、相当すごいことだと思っている。

しかし、話してみて感じるのは「この人達は決して特別な人間ではない」ということだ。もちろん、ダラダラ毎日を過ごしているだけでは食いっぱぐれるだけなので、知識をつけたり、いろんな試行錯誤をして努力しているだろう。

「失礼だろ!」と思うかもしれないけれど、本人も決して特別な人間だとは思ってないと言う。

たったひとつ違うことは「自分を売る方法」を実践できていること。自分が持っている能力・技術を欲している人間はどこにいて、どういうアプローチをすることで自分に仕事を依頼するのかがハッキリと頭にある。きっと今では自分の売り込みが得意な人でも、会社を辞めてフリーランスになってすぐには、どうやって仕事を取ってきたらいいかわからなかったはず。

「自分を商品にする」ためにはどういった考え方が必要で、どういうことをすればいいのかを知りたくなった。

いわゆる「自己ブランディング」に重点を置いた本はないかAmazonで探してみたところ、一年の半分をハワイで過ごしている本田直之さんが面白そうな本を出していた。

『パーソナル・マーケティング』。帯にもあるように、自分プロデュースの考え方や方法が1冊にまとまっている。

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「誰の役に立つのか?」という視点を持つ

仕事が殺到する人というのは、ピンポイントで自分の強みを発揮できるのは誰に対してかを理解している。

例えば外科医として生きてきた先生が一般の人達にも注目してもらうためにはどうしたらいいだろうか。

「外科医の専門知識を分かりやすく伝える解説書かな?」なんてことは誰でもすぐ思いつく。でも、僕だったら本屋で「外科医の専門知識をカンタンに学べる本」が置いてあっても手に取ることはないだろう。

なぜなら自分に全く関係のない本だからだ。結局手に取るのは外科医を目指す若者に限られてくるだろう。著者が出したアイデアは以下。

たとえば外科医の先生だったら、数多くの手術をこなしながら、最新の医療技術を勉強してスキルアップを欠かさない

そんな優秀な医師が独自に編み出した時間管理術や勉強法があれば、一般ビジネスパーソンの役に立つし、興味を持ってもらえるでしょう。

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忙しい時間の合間を縫って技術を学ぼうとすると、いかに時間を作るかに焦点をあてなければならない。

実際に技術を学べているということは、時間を作れているということ。

「時間を作りたい」と考えている人は外科医よりも確実に多いと考えられる。

実際にGoogle キーワードプランナーでサクッと調べてみても3倍近く違う。

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他にも色んなキーワードで調べられているはずなので、一概には言えないけど、需要は多いと仮定しても問題ないレベル。

自分が持っている強み、技術、ノウハウの中で、対象にしたい相手が興味を持つのはどんなことだろう?と常にアンテナを張り続けることが自分の顧客を見つける上では重要だ。

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自分のプロフィールはストーリーになる

プロフィールというのは、フリーランスで働く人にとっては生命線だ。

就職活動をするときに履歴書を書くように「事実」をそのまま書いても、何が強みなのか、何ができるのかを伝えることはできない。

履歴書の場合は面接があって、その時になにができるのかをさらに詰めていくのかもしれないけど、ネットに書いてあるプロフィールを読んで「あなたはどういうことができるのですか?」と問い合わせをわざわざしてくれる人は多くない。

著者のプロフィールは、

明治大学商学部卒
サンダーバード国際経営大学大学院経営学修士(MBA)
Citibankなど外資3社で営業・マーケティング業務
レバレッジコンサルティング代表取締役

P.61

となっている。うわぁ、すげえなー。とは思うのだけど、じゃあ具体的に今何をやっているのか、どういうことをしたいのかが伝わってこない。

一方、ストーリー性を持たせたプロフィールは、

[仕事の実績] 2001年に経営する会社を上場させる
日米12社ベンチャー投資・育成
年間400冊のビジネス書を読む
著者プロデュース40万部

[ライフスタイル] ハワイ・東京デュアルライフ
経営者を中心にトライアスロンチームを主宰
LA、上海など海外で活躍する在留法人を応援すべくボランティアで講演活動

[持っている資格] サンダーバード国際経営大学院経営学修士
日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー
世界遺産アカデミー会員
1級小型船舶操縦士

と、なっていて、本を出版する人だったら本のプロデュースを依頼したいなぁ。とか、出版社の人だったらワインの本を執筆してもらおうかな。など、「どんな仕事を依頼したいか」が明確になっている。

自己紹介を聞いたり見たりしたときに、相手にどう思って欲しいか、どんなイメージを持たれた以下を常に考えてバージョンアップしていることが重要だという。

「たまたま」の成功を「何度でもできる」に変える

本書の中で一番僕が納得したのが、「たまたま」ではなく再現性を持たせることで市場価値が付くという部分。

再現性のあるスキルになるということは、すなわち「人の役に立つ」ということです。

それは、あなたのブランドになり、信用(クレディビリティ)につながります。

二度と出来ないことを100個並べても、それでは自己満足にすぎません。再現性を伴なうことで、あなたのスキルは初めて市場価値を持つのです。

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飲食店やコンビニなどは特定の人に頼らず、アルバイトでも調理してお客さんに提供することができることができる。

それによってコストの削減などを行い、店としての優位性を持つことができるようになった。

それは「マニュアル化」を徹底的に行うことで、再現性をもたせたからに他ならない。

たまたま目分量で作ったら美味しいものができた、ではなく、この量をどうやって入れるかをマニュアル化してあるからこそ誰でも再現することができて、美味しいものが作れるという優位性を作れる。

たまたまの成功で喜ぶのではなく、それをどうやったら誰にでもできるようになるか、まで考えられなければ意味が無いのだ。

自分の少し後ろにいる人が自分を求めている人

ニュースで盛り上がるのは、最新技術やベンチャー企業の技術者、スティーブ・ジョブズなどの天才経営者などの話題が多い。

もちろんそういったニュースになるような人物になれるのであればなったほうがいい。でも、そんなスゴイ人間じゃなくても「ありがとう」と言われたことがない人はいない。人の役に立ったことがない人はいないだろう。

「仕事」というからわかりにくいのだけど、お金を貰うということは、誰かの役に立つことだ。

自分が持っている強みの分野で、少し後ろにいる人が自分を求めている人だ。

最初の方に書いたように、役に立ち続けてお金を稼ぐためには努力は必要だけど、本書を読むと、それはそんなに大げさなことじゃないことがわかる。

会社員だって会社の役に立って利益を上げまくる人のお給料は上がるし、フリーランスだって同じだ。ただ、会社員のように看板をもっていないぶん、自分で看板を作らなければならないという違いなのだろうと思う。

自分の知らない世界というのは不安だし、わからないことが多いので「難しい」と感じるのだけど、怖がりすぎるのは良くないのだと感じた。

フリーランスや起業を目指す人も本書を読めば、フリーや起業することそのものの不安よりも、「仕事に対してもっと努力をしなきゃな」と感じるだろう。

5年ほど前の本だけど、とてもそれを感じさせない本だった。

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