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稼ぐ仕組みはつくるもの!『マーケット感覚を身につけよう』感想

マーケット感覚を身に付けよう Kindle

ちきりんさんの本は、発売してすぐはあんまり購買意欲がないのに、気づいたらいつの間にか買っている。

今回の『マーケット感覚を身につけよう』も、最初は買う気がなかったのに気づいたら買ってた。

文章で人にモノを「買う気にさせる」マーケット感覚を身に付けた、ちきりんさんのパワーによるものだと、わりと本気で思っている。

今回は、ざっくりというと、誰にでもお金を得られる能力はあるけど、それを自分では分かってない。稼ぐための嗅覚(=マーケット感覚)を身に付けよう!って本の内容になっている。

「自分には能力がない」と思ってる人にオススメ。

価格じゃなくて価値に気づけるか

誰でもモノを買う時やサービスを使うためにお金を支払う時、「価格」に注目する。

それが染み付いているせいか、世の中のすべてのものには値段があると思っている人が多い。

けど、僕たちは本質的には「価値」を判断してお金を払っている

僕は以前スノーピークのテントを購入した。コールマンとか他メーカーのテントと比べると、同じサイズで2倍くらい値段が高い。

それなのになんでスノーピークを選んだかというと、社長が出した本を読んですごく感動したから

つまり、「価値」があると思えば人はお金を支払う。お金を稼ぐ能力がないと感じている人・会社の大半は、能力がないのではなく、価値を感じさせられていない場合が多いということ。

会社を辞めることに不安を感じない人や、ごく普通の会社員から一転、異分野での成功を収めるような人は、なにか特殊な能力を持っていたというよりは、自分のごく身近にある「売れる価値に気づく能力」を持っているのです

(略)

今、この「価値を認識する力」の二極化が進んでいます。すばらしい学歴や職歴に加え、難関資格から専門知識まで持ちながら、不安から逃れられない人がいる一方、ずっと少ないものしかもっていないのに、「なんとかなる」「なんとでもなる」という自信とともに、世の中をわたっていける人もいます。この両者の違いがまさに「売れるものに気がつく能力」であり、「価値を認識する能力」の差です。

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「売れるもの」っていうのは、iPhoneとかそういう物質的なものというよりかは、本書では「相手に価値を感じさせるもの」を意味している。

とはいっても具体的にピンとこないかもしれないので、1つ実例を。

スイカで考えてみてください。スイカを売る店が1軒しかなければ、その店はスイカを高値で売ることが可能でしょうか? おそらくそれは不可能です。なぜならスイカは主食の米と異なり、毎日の食卓に不可欠な商品ではないからです。なので、たとえ市場の中に1軒のスイカ屋しかなくても、売り手が価格をつり上げることはできません。 つまり、米が高く売れたのは独占状態だったからではなく、「米にはスイカにはない価値があるから」なのです

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この、価値が分かるようになる=マーケット感覚を持つことが、これからさらに重要になってくる。

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世界は市場化していく。市場で認められるようになるべき

なぜなら、インターネットの登場で情報が世界中に一瞬で広がるようになったから。

それによって、価値と実際の価格のギャップが一瞬にして修正されるようになる。

国家公務員とか、「国が保証してくれる職業」は今はとても人気だけど、国の方針で一気に不安定になる可能性がある。

最近だと、「欧州の弁護士数と比べて日本の弁護士数が少ない」ということから、国の方針が変わって司法試験の合格者が3倍に引き上げられた。

その結果、需要に比べて供給が一気に増えることで、一気に弁護士という職業は「稼げない」職業に変わってしまった

海外からの影響で変わらざるを得なくなった実例もある。

海外へのアクセスだ。

最寄りの地方空港から国内線に乗って羽田空港に到着し、その後、国際線に乗り換えるため、羽田空港から80キロも離れた成田空港まで移動しなければなりません

(略)

さらに国内線から国際線への乗り継ぎには長い待ち時間が発生することも多いのに、成田空港にはつい最近までマッサージ店もシャワーもなく、無料Wi-Fiもありませんでした。このように日本は長い間、地方の人が海外旅行に出かけるのに、ものすごく不便な国だったのです。

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これに目を付けたのは韓国の仁川国際空港。この空港は、日本の地方空港の多くと結ばれている。

仁川国際空港からパリにいけば、空港内で乗り継ぐだけで行けるだけでなく、時間を有効に使える施設も充実しているという。

この変化によって羽田空港や成田空港を使わなくなって、慌てて日本の航空行政関係者は羽田空港の国際化に乗り出した。

この例のように非効率で非合理な分野が狙い撃ちされるようになってくる。だからこそ、現状に満足しないで、変化していこうと著者は言っている。

失敗は成功のもとはガチ

でもどうやってマーケット感覚を身に付ければいいの?

って疑問にも答えている。

その1 プライシング能力を身に付ける
その2 インセンティブシステムを理解する
その3 市場に評価される方法を学ぶ
その4 失敗と成功の関係を理解する
その5 市場性の高い環境に身を置く

この中でも、4の考え方が面白い。みんな失敗を嫌がるけど、やっぱり「失敗は成功のもと」だそうだ。

今や「市場から学ぶ」「失敗から学ぶ」という方法は、「学校で学ぶ」「研修プログラムの整っている会社で学ぶ」と並ぶ、メジャーな学びのプロセスになりつつあります。特に、起業家やフリーランス、アーティストなどの仕事は、最終的には「市場で生きていく」という働き方です。スタート地点であれこれ考えているより、さっさと市場に向き合い、さっさと失敗を重ねましょう。

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ニュースとか見てると「この人、価値の生み出し方がとってもウマイなぁ」って思うことがたまにあるけど、そういう人達は、マーケット感覚が研ぎ澄まされているんだろう。

これからの時代を生き抜くために、マーケット感覚を鍛えよう。

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