お金についてマジメに考える -書評- 投資家が「お金」よりも大切にしていること
ずーっとこの本を読んでからいろいろな考えが頭に浮かんでたので、感想を書きたかったんですが、全然文章を紡げませんでした。
自分にとって「お金」はすごい重要なもので、それが無くなることを想像するだけで結構恐ろしくなります。
なんかその「お金」に関する考え方の根幹をえぐられるような個人的スゴ本だったので、頭の整理がなかなか難しかったです。
なので今回は読書メモにいたそうと思います。
ニートも必要
これらの赤ちゃん用品を生産・販売している会社は、赤ちゃんが存在しなければ成り立たない会社です。
これらの会社に勤めている人は、赤ちゃんが存在しなければ給料をもらうことはできないし、そもそもその会社で働くこともできないでしょう。
P83
仕事って自分を含めた「人を養うこと」を前提に語ってしまいがちだし、その仕事がなんで存在してるのかなんてなかなか考えることもありません。
でもこの考えは「何故人を養えるか」ということに視点があって面白いです。確かに市場ってのは需要があるから生まれるわけで、ニートだろうがなんだろうが存在しなきゃ成り立たない仕事はあるのです。
生きてるだけで経済が動くとなると「働かざるもの食うべからず」の「働く」の部分は実は万人がクリアしているのではないかと思うのですがいかがなもんでしょうか。
お金の使い方
使ったお金の額の問題ではありません。重要なのは、あなたが何を考えて、その消費行動を取ったか、ということです。
…
自分がステキだと思ったこと(もの)に自分のお金を使う行為は、そのステキな商品やサービスを提供してくれている会社やそこの従業員たちを応援する行為と同義である、ということです。
P113
著者の藤野さんはお金が大好きだそうですが、大好きだから溜め込んでるってわけではなく、お金というツールの持つパワーが好きなのだと思います。自分が必要でないと思ってたものをその場でなんとなく買ってしまう浪費ではなく、自分の意志でお金を出すことが大事やぞ、とおっしゃっております。
好きなことやモノにお金を使うってのは、間接的にそのモノやサービスを支持してることになります。清き一票は何も紙に名前を書くことだけじゃないのだと。どんどんお金に関する見方が変わってきます。
神一重
消費をすることは、大げさではなく、社会を「創造すること」でもあるのです。
P115
ここにきて人間は神である宣言が出ましたけれども、これは藤野さんが狂ってるのでもなんでもありません。
自分が上にも書いたとおり、お金を払う=応援するということで、お金が回っている所がどんどん発展していきます。お金の使い方によって支持されたモノやサービスが残り、お金が全く残らないところは消えていきます。
今の社会を作ったのは政治家でもなんでもなく、消費者だということです。お金を得る方法じゃなくてお金の使い方を知ったほうが、いろいろと豊かになる気がします。頑張ります。
やっぱ真面目は大事よね
単純に、自分のことではなく、お客さんのことを真剣に考えてほしいのです。そのうえではじめて、手段として技術というものが存在するのだと思います。
日本には、不真面目な仕事をしている会社が多すぎます。
もっと、ビジネスに真面目になってください。
P178
なんかこれにはこう、上手く言えないけど今までちゃんと真剣に仕事してただろうか…という自分への疑問がふつふつと湧いて来ました。なんでもかんでも自分を中心に捉えすぎてたような気がしていて嗚咽が。
自分のエゴといっちゃーそれまでなんですが、それでもなんとかもがきながらも真面目にお客さんのこととかは考えるべきなのだなーと思います。
フリーランスの人は当然そういう真面目さがあるからやっていけてるんだろうし、その責任の重さと言ったら想像できません。
やっぱりそういう責任をとってける、イケてる人間になりたいです。頑張ります。
「虚業」と口にする人間は無知
私は本当に「虚業」という言葉が大嫌いです。
ITだろうと金融だろうとメーカーだろうとサービス業だろうと、あらゆる業種の社長さん、約5700人と直接あって話をしてきた私は、世の中のすべての仕事や会社は理由があって存在していることを、自分の目で確認してきました。
虚業なんて、どこにもありませんでした。
P186
もうここで涙腺崩壊ですね。
これと同じように、アルバイトと社員をあからさまに区別する人も僕はどうかと思います。いろいろと制限や違いはあるものの、同じようにして働いてるわけで、お客さんにとってはバイトだろうが社員だろうが「誰の」結果だろうと関係ありません。
そういうことを言う人は、その人自身が「アルバイトだから」って理由で手を抜いていたことを認めているようなものではないかと思います。僕はバイトも正社員も経験しているわけですが、どっちも同じくらいの意気込みで働いてきました。
だからバイトの話をしたときに結構言われる「バイトだからね〜」って言葉はホントに嫌いです。
自分信じることにした
投資家とは、お金や、仕事や、会社や、社会のことを、奥行きあるものとして見ることができる人のことを言うのではないでしょうか。
私はそう考えています。
ペットボトルの150円の背後には、目の眩むような明るい世界が開けているのです。
P242
もうこの本全部書き写したいレベル。なんかこの引用だけだとよくわからんと思いますが、結構感動ですよこれは。
「お金って何?」って問いに本質的に考える機会なんて産まれてこのかたなかったわけで、そういう人間がこの本読むと感動するのは当然の結果であると思います。
僕はお金の威力を良くも悪くも過小評価していたようで、モノを買うという「消費行為」の一面しか考えられなかったんですが、それによって何人もの人を救い、自分をも知らぬ間に救っておりました。
お金を使うということは、少々クサイ言い方をすれば、未来を作るということになります。自分がお金のことを本当に理解して、信じたものにお金を使うということは、他ならぬ、未来を作ることだと本書を読んで考えるようになりました。
でもこういう考えって日常に戻ればまた以前の自分に戻ってきてしまいます。思考においても習慣というのは恐ろしい。
なのでいつでもすぐに振り返れるようにと心に残ったことをひたすらに書いてみました。すごい長い。
多分僕の人生において「お金」というテーマは何度も個人的な話題になりそうな気がしています。そんなときにはこの本と、この記事を読み返したいです。
目次(Amazon.co.jpより)
第1章 日本人は、お金が大好きで、ハゲタカで、不真面目(8割の学生が「お金儲け=悪」
日本人は世界一ケチな民族 ほか)第2章 日本をダメにする「清貧の思想」(バットマンはなぜ「かっこいい」のか?
日本のヒーローは…公務員 ほか)第3章 人は、ただ生きているだけで価値がある(経済って、よくわからない…
残業250時間の「ブラック企業」 ほか)第4章 世の中に「虚業」なんてひとつもない(日本人は仕事も会社も同僚も、あまり好きではない
「会社」とは何か? ほか)第5章 あなたは、自分の人生をかけて社会に投資している、ひとりの「投資家」だ(投資は、「お金」ではなく「エネルギー」のやり取り
エネルギーの8要素 ほか)
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