「役に立つ」ことほどムダなことはない -書評- dankogai本×2
2013/04/12
小飼弾氏の2冊を読んで、わかりました。
「中卒」でもわかる科学入門 “+-×÷”で科学のウソは見抜ける!
本を読んだら、自分を読め 年間1,000,000ページを血肉にする〝読自〟の技術
「役に立つ」は呪いだ、と。
上記リンクの上は科学本、下は本の本になっているのですが、いずれも共通のキーワードがありました。
「役に立つ教」の信者は、結果的に自分の首を絞めることにもなります。あらかじめ役に立つとわかっているものは、その設計が可能ですし、設計されたものはいずれ機械化されて人間は不要になります。
via.「中卒」でもわかる科学入門 P.158
人は、「自分にとって何が役に立っているのか」を、そんなに簡単に想定できないものです。それなのにすべての行為に、「これは使える」「これは使えない」という縛りをかけるのは狭量というものです。
via.本を読んだら、自分を読め P.70
「時間は資源だ。ムダにしてはいけない」といたるところで叫ばれていて、スキマ時間に効率よくスマホで情報収集する方法などのライフハック記事をはてブの人気記事でよく目にします。
真剣に将来を考えている人、いや、将来に不安を持っている人ほどこういった風潮が「役に立つ」と考えてハマっていっちゃうものなんですが、それを実行することで不安が解消されることはほぼないです。なぜなら目にした記事を完璧にこなせず、無力を感じるから。断定できるのはまさに僕がそういう道を経てきたからであることは言わずもがな。
本書は問いかけます。
「役に立つ」とはなにか、と。
GPSという、現在地を把握できる技術があります。これはアインシュタインの相対性理論を応用することで誤差を10m以内にまで抑えられています。
現代では切っても切れない技術なわけですが、アインシュタインはGPSを発明したかったから相対性理論を発表したか、というとそうではないでしょう。この理論をどんな心境で発表したのかはわかりませんが、GPSを発明するためでないことは確実。
何が役に立つかなんて結局わからない。
何が役に立つかがわかるということは、詰まるところ成功する方法がわかるという事です。なんだ神か。
「役に立つこと」も「役に立たないこと」も自分に何を残してくれるのか、いつ役に立つのか、ずっとムダなことなのか、それはわかりません。でも自戒を込めて、問い続けたいです。
ちゃんと人生生きてるー?って。
第1章 科学的人生観のススメ(3・11で信用を失った科学者たち
素人もセカンドオピニオンの判断はできる ほか)
第2章 科学的に考えるとは(「ナンボ」で考える
ギリシア哲学と近代科学の違いも「ナンボ」にある ほか)
第3章 科学的に行動する(「利益を得るのが誰か」に着目する
科学者が権威になってしまう理由 ほか)
第4章 科学時代の社会・企業・国家(科学プロジェクトはどう仕分けるべきか?
NASAのすごさは、長期視点に立ったプロジェクトを立案できること ほか)
【CHAPTER1】…だから、僕は本で強くなれた
・自分を救うしくみはこうしてつくれ
・付き合う人を変えるように、読む本も変える
・僕の先生は、本で十分だった
・陽気な現実逃避のススメ
・ビジネス書ばかり読むのは寂しい
・SFの世界を丸かじり
・自分の世界を構築する力をつける
・百科事典は眺めているだけで役に立つ
・ヘタな読書術は持つな
・本を読めば、自分が読める
・きみは楽な状態に慣れてはいないか?
・しんどいどきに、本で救われるのか
・人生最大のトラブルをなぜ乗り切れたのか
★Danが目利きの書店員さんに聞いてみた
「人生をあと押ししてくれたこの一冊」1【CHAPTER2】…本の読み方を変えれば、自分が変わる
・本を読む時間もないほど働いていないか
・労働と読書が僕の青春だ
・「ロールモデルは3年まで」の法則
・ベストセラーよりロングセラー
・本に実利を求めすぎるとかえって損をする
・本は前から順に読まなくていい
・安くて高い漫画
・うさんくさい本で批判を練習する
・奥深い難読本の世界
・地味なタイトルに名著が多い
・「本の面白さ」を見分ける方法
・「すごい人」の本はなぜ拍子抜けするのか
★Danが目利きの書店員さんに聞いてみた
「人生をあと押ししてくれたこの一冊」2【CHAPTER3】…本屋を歩けば、見える世界が変わる
・20代こそ本にお金をつぎ込もう
・不安を本で埋めてはいけない
・本は常に手元に置くこと
・効果的な書店の歩き方
・いい書店は書店員次第
・本屋でできる、贅沢な休日の過ごし方
・アマゾンの評価を真に受けるな
・優秀な書店員は何が違うのか
・偏見を貯めよう
・何を買うかより、「何円分」買うか
・貯金する金があったら、本につぎ込もう
・本を読まずに、チャレンジなどできない
★Danが目利きの書店員さんに聞いてみた
「人生をあと押ししてくれたこの一冊」3【CHAPTER4】…アウトプットすれな知恵はもっと身につく
・財産としての本
・本棚にどう並べるか
・自分から「こんな本を読んだ」と発信していく
・読んだ本は記録しよう
・読書感想文は100年早い
・読書ブログのはじめ方
・ウェブで発信するコツ
・人とつるんで読まなくていい
・あっという間に人気作家になれる方法
・誰かこの人たちの人生を書いてくれ!
・伝記こそ真の自己啓発本
・読めば読むほど楽しみは増幅する
★Danが目利きの書店員さんに聞いてみた
「人生をあと押ししてくれたこの一冊」4【CHAPTER5】…本当の教養は人生を豊かにする
・リア充になりたかったら本を読め
・一般名詞ではなく、固有名詞で生きる
・みんなの評価はあてにならない
・読書で教養は身につくか
・社会人の暗記力は、ゼロ査定
・本当の教養とは何だろうか
・本にも載っていないデータを読み解く力を持つ
・空想力ほど、役に立つものはない
・Danが語る、電子書籍の未来
・本当に「若者はかわいそう」か?
・自分の中に教師の人格を持て
★Danが目利きの書店員さんに聞いてみた
「人生をあと押ししてくれたこの一冊」5
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