自己啓発は哲学 -書評-「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!
2012/12/15
以前から興味があった苫米地英人さんの本が目に入ったので読んでみました。
自己啓発書はそろそろ食べ飽きたので全然読んでなかったんですけど、パラパラめくっていると、明らかに「この本おかしい」(いい意味で)と思うような箇所がたくさんあったので読むことにしました。
目次
結構、本ってタイトルとか目次が誇張されてることが多かったりしますが、この本は逆で、タイトルと目次が普通すぎる気がします。
内容はタイトルを一歩踏み越えたラインで展開されてます。
Amazonより
1 イライラ、怒り、嫉妬…生産性を下げる「感情のゴミ」を捨てる
2 満たされなさと焦燥感…「他人のモノサシ」というゴミを捨てる
3 変わりたいけど変われない…「これまでの自分」というゴミを捨てる
4 自分に自信が持てない…「マイナスの自己イメージ」というゴミを捨てる
5 「なりたい自分」になるためにまずは「我慢」というゴミを捨てる
6 やりたいことが分からない…「自分中心」というゴミを捨てる
7 失敗するのが怖い…「恐怖」というゴミを捨てる
8 「論理へのとらわれ」というゴミを捨て「ひらめき脳」を手に入れる
時間は未来から現在、過去へと流れる
目次の3にあたる、「これまでの自分」というゴミを捨てる、での項目が一番印象に残りました。
人の将来を考える時、普通は現状から未来を想像するのが普通です。優れた人は未来も優れた人で逆も然り、てな具合に。未来は現状の延長線上だからです。
しかし、この時間感は古典的な西洋の考え方だそうです。アビダルマ仏教哲学や現代分析哲学では、時間は未来から現在、過去へと向かって流れているとされていて、未来が過去を作るという考え方になっています。
意味分かんない。
ただ、その例を見てみると、なるほどなぁーと感じます。
会社の帰り道にサプリメントを買うためにドラッグストアに寄ったとします。しかし、たまたまレジの前に行列ができていました。
あなたは行列に並びしばらく待っていましたが、なかなか前に進まないので面倒になり、サプリメントを棚に戻し、「ついてないなあ」と思いながら、わざわざかなりの遠回りをして別のドラッグストアに行きました。
すると、その店では先ほどの店よりも同じサプリメントが2割も安く売っていました。あなたは「ラッキー」と思いながら足どり軽く帰宅しました。
P.87
1件目のドラッグストアでは気分が下がるけれど、結果的に2件目で「ラッキー」と感じているわけです。これは誰にでもあることだと思います。
「終わりよければ全てよし」的な考えです。
なんか動かされちゃう感
普通の自己啓発書だったら「現状より未来を変えよう!」的な感じで書かれてて、準備期間が大切だとか書いてあることが多い印象ですが、この本は急にアビダルマ仏教哲学を出してきて、「こういう時間感があるんだよ」と言ってしまいます。
その強引、しかしありがちな具体例なんかを聞いてなんか動かされちゃう感があります。
この苫米地さん特有の「なんか動かされちゃう感」が僕がこの本を買うまでに至らせたのです。
というわけで、僕のようにあまり自己啓発書を読まない人にも、自己啓発書が好きな人にも驚きがある本です。普段とは違う感覚を味わいたいのなら是非。
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