真の「勉強上手」が教える、常識にとらわれない3つの考え方 -書評- 勉強上手
2012/12/19
世の中には人の数だけ「考え」があります。
僕が「最高に好きだ!」と胸を張って言えるくらい面白い考え方をしている人がいます。
元マイクロソフト日本法人社長の成毛眞さんです。
この方が書いた本は目次を見るだけでもワクワクしてくるので、ちきりんさんと同じく、新刊が出る度に買っちゃいます。
スティーブジョブズに対する考え方もめちゃくちゃ面白かったんですが、今回もかなり面白かったです。
今回のテーマは「勉強上手」。世の中の常識とかけ離れた成毛さんの「考え方」を紹介させていただきます。
1.ムダは無駄じゃない
その好きなことや得意なことは、人から見ればムダなことかもしれない。
それをムダだと決めつけて排除してきたのが、今までの世の中だ。
だが、それこそが、これからの時代は武器になるのだ。
via.P5
駅の警備員をしていた佐藤修悦さんは、工事の誘導をするために数色のガムテープを使って案内を作っていたところ、「アートのような文字に見える」とネットでウワサになったそうです。
徐々にファンが増えて、本やTシャツまでもが発売されました。
その文字は佐藤さんの名前から「修悦体」と名付けられました。GoogleIMEで「しゅうえつ」と打ってみると、きちんと変換候補に出ます。
これは誰に頼まれたわけでもなく、佐藤さんが自ら「好き」でやったこと。
効率だけを求めて、案内板や駅内放送で終わらせていたら、ここまでのことは決して起こりませんでした。
「ムダ」なことというのは結局「人と時間を使う」ことです。
人に頼らずに機械でムダを省くのはもちろん大切なことですが、人の心を動かすのは、一見ムダだと思いがちな「人と時間」なのだと思います。
Wikipediaで佐藤さんを調べてみたところ、あのEvery Little ThingのPVに出演までしてるらしいです。すげえ。
2.ネットもテレビも新聞も
日本人は3パターンに分けることが出来ると成毛さんは言います。
A.インターネットはほとんど使わず、テレビ、新聞、雑誌が主な情報源の人
B.毎日ネットもSNSもやるし、テレビや新聞も見る人
C.ネットのヘビーユーザーで、情報源はほぼ100%ネットの人
成毛さんは、AとCの人は共通して感性が鈍いと言っています。
判断できるツールが偏っていると、考える力が身につかず、ただ風に吹かれる人間になってしまう危険があるそうです。
僕もほぼすべて情報はネットになってきています。確かに「マスメディアは信用出来ない」というネットユーザーの声に翻弄されているのかもしれません。
大切なのは、「考えて」情報をつかみに行くことなのだということです。この部分は改める必要があるなぁ。と反省しています。
ちなみに、本書では成毛さんのオススメTV番組も紹介されています。
3.本の内容は忘れていい
僕は本を読む方だと思っているのですが、結構内容を忘れやすいです。
こうやってブログに書いている部分は結構覚えているのですが、それ以外の部分は読んで数週間でかなり忘れてしまいます。
結構こういう人は多いんじゃないかと思います。
超が付く読書家の成毛さんはそのことについて、こう言っています。
その情報に触れたとき、自分がどう思うか、どう感じるかという感性や思考が大切なのだ。
今までAという考えしか持っていなかった人が、Bという情報を本から仕入れてCという考えを持つようになる。
via.P154
確かに本の内容は忘れても、何かのキッカケで本の内容を思い出したり、知らぬ間に本の内容を実践していることが結構あります。
いつの間にか行動や考え方が変わっているということです。
ふと読み終わった本を再読すると、自分がかなり影響を受けている部分が見つかったりして、嬉しい+驚きます。
これが結構気持ちいいんです。「あー、この本に影響受けてたのね!」と。
さいごに
今回も成毛さんのびっくりする考えに驚かされっぱなしでした。
「何かの行動にはWhyが必要だ!」と書いてある本の次に「目標なんていらない。好きなことをやれ!」と書いている本を読むという、あまのじゃくもびっくりな展開です。
が、大切なのはいろんな人の考えに触れることだと思っています。
それが自分の中でぐちゃぐちゃに混ぜ合わさって「オリジナル」な考えが生まれるんじゃないかと。
なにより人の考えを聞くってホントに面白い。この本の成毛さんもキレッキレでした。面白かったです。
目次(Amazonより)
第1章 得意分野だけが武器になる理由
芸が身を助ける時代になった
オールラウンドにできる人を目指すな ほか第2章 もう努力は必要ない
記憶力を高める時代は終わった
必要のない英語、セミナーに時間を割く人が多すぎる ほか第3章 これだけ読めば充分!勉強法ブックガイド
『「超」勉強法』野口悠紀雄 『竹中式マトリクス勉強法』竹中平蔵 ほか第4章 「得意」を最短で最強にする方法
要となる情報リテラシーはこう身につける
ツールは最小限のものを使いこなせ ほか
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